先急ぎ心理が事故の背景にある _ 2

■作業1

 

 この運送会社で使用しているフォークリフトには、アタッチメントとしてロードスタビライザーがついています。

 

 ビンのケースなど、荷崩れしやすい荷物を運ぶときも、スタビライザーのプレートで上から押さえるので、安定した作業ができます。

 ケースが積まれたパレットをピッキングした後、オペレーターはプレートを押さえていますので、楽にスピーディーに荷物を指定の降ろす場所まで運んでいます。

 



■作業2──勘と経験による動作

 

 右の場面は、荷降ろし場所にやってきたところです。

 ここで、オペレーターはアタッチメントを浮かし始めながら、荷物を降ろそうとしています。

 本来ならば、荷物を完全に下げて荷降ろし場所をよく確認してから、アタッチメントを上げる作業をするなど、一つひとつの操作を区切るべきです。

 しかし、ロードスタビライザーがついたおかげて効率が上がり、連続動作になっているようです。

 ここで、オペレーターは床面に置くパレットを見ていません。左に首を振り、視線は次のピッキング対象にいっています。次はどうやって作業しようかと気が行き、急ぎの心理に陥って、荷を「降ろしたつもり」になってしまったようです。

 



■作業3 → 荷の散乱

 

 まだ、フォークリフトの爪の上には、荷物が残っていました。

 

 このため、旋回の力が荷物に作用して、荷が傾き始めています。

 

 オペレーターは荷物があるとは思っていないので、次のピッキング先を見ながら操作しています。

 

 このため、荷物がパレットから落ちて床に散乱し、ビンが割れて、床には液体があふれています。

 

 




■次の仕事に急ぐ心理が「うっかり事故」の背景にある■

 破損事故のパターンの一つとして、作業中の安全確認の省略や必要以上に速い連続操作が多いことが見られ、その背後には「急ぎの心理」がはたらいていることがわかりました。

  もういちど、事故の映像を解説付きで見てみましょう。